一人用のRPGやアクションゲームにおいて、対峙する敵キャラクターの動きは作品の評価を決定づける要素となります。単調な動きを繰り返すだけの敵ではすぐに飽きられてしまいますが、プレイヤーの行動を学習し、裏をかくような動きをするAI(人工知能)が相手であれば、戦闘の緊張感は飛躍的に高まります。遮蔽物を利用して身を隠したり、体力が減ると回復行動をとったりする敵の振る舞いは、条件分岐と呼ばれるプログラム上のルールによって制御されています。近年ではより高度なアルゴリズムが採用され、まるで人間が操作しているかのような有機的な反応を見せる敵も珍しくありません。
また、ゲームを語る上で外せないのが「確率」の存在です。攻撃がクリティカルヒットになる確率や、倒した敵がレアアイテムを落とすドロップ率は、すべて内部的な計算式に基づいて決定されています。数パーセントという低い確率を引き当てた瞬間の喜びは、脳内の報酬系を強く刺激し、プレイヤーを周回プレイへと駆り立てます。この確率設定は、簡単すぎれば達成感がなく、難しすぎればストレスになるため、開発者による絶妙なバランス調整が求められる領域です。
ダンジョンの構造がプレイするたびに変化するローグライクなどのジャンルでは、プロシージャル生成と呼ばれる自動生成技術が用いられています。あらかじめ用意されたマップパーツを、一定のルールに従ってランダムに組み合わせることで、無限に近いバリエーションを生み出すことが可能です。予測できない展開と、自らの判断で状況を打破していく戦略性の融合は、デジタルゲームならではの知的遊戯と言えます。計算されたランダム性は、プレイヤーに常に新鮮な驚きを提供し続けています。